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随想:自己啓発の必要十分条件

投稿日:2018年5月12日 /  記事カテゴリー:コラム

自己啓発の必要十分条件

そもそもわれわれが生きていく中で、「変えられるもの」と「変えられないもの」に分けて考えると、「変えられないもの」は“他人”と“過去”である。

一方で、変えることができるのは、“自分”と“未来”という二つであろうか。

変えることのできない過去を断ち切り、輝かしい未来を創造するために自分を変える。

それが自己啓発(=自己能力開発)ということになる。

自己啓発とひと言で言うのはやさしいが、これが真に成功するためには、およそ三つの条件を満たす必要があると考えている。

1.衝撃的出来事
2.意識化
3.継続性
である。

まず一番目の“衝撃的出来事”とは、端的に表現すれば“自分がショックを受ける”ことである。

本気になって自己啓発に取り組むきっかけが重要なのだ。

「こんなことができていなかった」「なぜできなかったのだろう?」と自身が気付いて認めることである。

このショックが大きければ大きいほど、自己を変革する意欲も高まりやすい。

この条件を満たす為の方法の一つとして、我々が行なう研修がある。

さまざまな職場の事例や難しい問題解決を迫られ、受講者は追いつめられて苦しむ。

その結果、出来ると思っていたことが本当はできていない自分に気付き、ショックを受けるのである。

われわれの研修の中では、その様な仕掛けや工夫、フィードバックをたくさん用意している。

 

次に、受け止めたショックを自己の意識の中に浸透させ具体的に残しておく必要がある。

“喉元を過ぎれば熱さを忘れる”では、研修の意味を成さない。

「なぜ出来なかったのか?」、「自分のどこに弱さがあったのか?」・・・と強く意識の中に刻み込む必要がある。

これを具体的に職場実践に結びつける為に、ケースメソッド協会では、研修の中で、実践的な「自己能力開発計画書」を作成することを位置付けている。

特に特徴的なことは、本人の考えやあるべき姿のイメージのレベルに終わらせず、

例えば、「ケース研究の中で、関連する情報に気付かなかった」とか、

「部下指導の中で、一方的にしゃべり続けてしまった」というように具体的な改善すべき項目を行動ベースで拾い上げ、これを職場に置き換えて考えさせることに努めている。

研修の中で示した行動をじっくり見ていくと、

そう言えば職場でも、「綿密な情報収集をしないまま決めることが多いな」、「人と話し合いをする時、むきになって喋ってしまうことが多いな」というように、

本人が思い当たる場面が出てくることも多い。

これら自己認識と合致する職場における改善行動を導き出して、これからの自己変革の課題として設定するのである。

ここで挙げた事例の場合なら、例えば、以下のような行動目標が立てられよう。

行動目標1:「関連する情報を収集・精査してから、次にどうするかを決定すること」

行動目標2:「相手の考えや気持ちを十分に聞いてから、自分の意見を述べるようにすること」

ここまで研修の中でしっかり行なっておけば、あとは最後の、「継続性」ということになる。

つまり、机上のプランに終わらせない為には、日々、職場での実践を継続していくことが重要になる。

ここで、上司や先輩の登場になる。

適宜なフォローや、適切なアドバイスを行ないながら責任を持って見守り、自己啓発活動の持続を支援するのである。

自己啓発の活動が進む為には、上記の三つの条件のうちどれか一つ欠けてもうまくいかないであろう。

ケースメソッド協会の研修サービスでは、常にこの3つの条件を満たすことを心がけて企画している。

 

筑紫 健

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