その他
その他のテーマです。若者の雇用、就職活動、離職と転職、再雇用、派遣切り、企業と監督官庁、社会常識、熟年離婚など様々なケースを紹介します。
《ケースその1》北本大地君は私立大文科系卒で超就職氷河期の中、10
0社以上にエントリーし4年生の秋にやっと住宅建材メーカーに内定がと
れた。新社会人のスタートを切り、新卒の導入研修は終盤の試用期間3ヵ
月を過ぎようとしていた時期、研修担当者から本社人事課に行くように指
示された。指定された時間に出向くと、採用面接時の顔見知りの人事係長
から「正式な雇用契約はしない」といきなり言われた。つまり解雇である
「え!何故ですか?」北本君は寝耳に水の通告に耳を疑って思わず声を上
げた・・・。
《ケースその2》きちんとした将来の展望がないまま高校を卒業した後藤君。最初に就職した大手ホームセンターを退職したのを皮切りに、居酒屋、パチンコ店などの仕事を転々としていた。すでに25歳になっていた後藤君は「ジョブカフェ」でキャリアカウンセラーから励まされ、資格を取ることを勧められた。一旦はその気になった後藤君だが、いざ実際に資格をとるとなると事は簡単にいかない気がしてきた。
《ケースその1》大学3年生になった林田麻優子さんは、就職活動を目の前にして、い
ったい自分はどんな仕事についたらいいのか分からずに困っていた。専攻した国際関係
の授業もあまり身が入らず、むしろ歴史や文学の授業に興味を持っていた。彼女の性格
は、診断によると「外向的だが、緻密さに欠ける」というものだったが、それが仕事選
びにどう結びつくのか分からない。母親は、「自分で決めなさい」と突き放したような
言い方をするので、頼りにならない。大学の友達は早くも就職希望先を決めて、活動に
入っている。少々あせりの見え始めた林田さんは、学校の就職相談室へ行こうと思うの
であった。
《ケースその2》長谷川君は就職難の真っ直中で就活に臨むことになった。4年生の12月になってもいまだに内定が決まらず厳しい状況が続いている。彼がとくに悩んでいるのは不採用になった明確な理由が分からないことである。次第に自信を喪失していく長谷川君。このままだとうつ病になってしまうのではないか…。そんな気持ちも芽生えてくる。長谷川君はいっそのこと今年は就職を諦めようかと思い始めている。
専門商社国際産業(株)は、本格的なネットワーク・システムの導入と同時に、事務部も新設した。事務革命後二代目の小松部長は、営業部長から異動したが、それには社長の深い読みがあった。前任者はコンピューターには強かったが、新事務体制への移行の圧力には弱く、体調を崩していた。そこで心機一転の試みであった。重圧の原因は、いざ導入すると、思わぬ事務ミスが目立つようになったことである。そしてそのミスの元凶は一般事務職だったのである。
村岡係長が勤務するS大学付属図書館は2年前、書籍の盗難を防止する最新のシステムを導入した。慎重論を抑えての総長の決断だった。当初は効果が大きく、図書館の職員も“頼もしい助っ人だ”と喜んでいたが、最近になって誤作動が頻繁に発生し、所員の頭痛の種になり始めた。設置を担当したメーカーもよそではうまくいっているのに、と首をかしげるばかりで、問題解決のメドがたっていない。今日もまた、誤作動があり、怒った学生と新人の職員との間で一悶着あった。このまま放置できないと判断した村岡は、皆を集めて打開策を話し合うことになった。