コミュニケ―ション
組織内や人間にとって潤滑油のように欠かすことが出来ないのがコミュニケ―ション。組織内の情報の共有化、人間同士の軋轢、管理者と部下の感情的対立、フォーマル、インフォーマルのコミュニケ―ションについて考えます。
パッケージソフトウェア販売のH社は、ここ数年、業績低迷にあえいでいた。新卒採用をピーク時の1割程度にまで絞り込んだ結果、管理者1人に対し部下2~3人という人的構成になっていた。こうした社内事情に危機感を抱いた経営陣は、抜本的な人事制度の見直しを進めることにしたのだが・・・。
本社スリム化の対象として、業務管理部が関係会社と合併することとなった。業務管理部の課長であった野中は、本社勤務から一転して新しく設立された「組織管理コンサルティング」企業での勤務を経験することとなる。初年度の業績は良かったが、経営の実態は楽観できるものではなかった・・・。
同業の相模工業と武蔵工業の2社が合併して、新しい相武工業(株)が生まれた。新社長は「新会社には武蔵もなければ相模もない。あるのは相武工業だけだ」と言って、両者の融合を図っていた。課長級以上の半分は、相互に入れ替えるという人事施策もその一環だった。しかし、両社はもともとしのぎを削ったライバル同士。融合を進めるのは簡単ではなかった。社員のなかに少しずつ不満が募っていた。
業界2位の大和産業は、平成8年、創業40年になった。外山現社長は創業者の先代社長の娘婿で、在任20年になった。このところ業界1位のジラフ㈱に水をあけられており、社長は苦慮していた。そして2月、突然全社員に「社員諸君に告ぐ」という手紙を送った。懸賞金50万円、副賞世界一周旅行クーポン付きの豪華提案募集だった。さっそく集まった提案のなかに、資材課の庶務係員柳田京子の「社長はお辞めになっては」というものがあった。社長は清水資材課長やその上司の横井購買部長の意見を求めた。柳田には、実質最優秀賞が贈られたが、これを機会に部長たちへの風当たりが強くなった。3月中旬、柳田は清水課長に「私、辞めたほうがいいのではないでしょうか」と申し出た。