高齢化
高齢化社会は、総人口に占める65歳以上の老年人口が増大した社会のことを言います。日本の高齢者の割合は世界でも上位にあり、2020年には27%を占めると予想されています。定年後の個人の生き甲斐や企業におけるノウハウの伝承など、高齢化にまつわる様々な問題を考えます。
健康で勤労意欲もあり多才で器用な大西は定年後の人生をいかに生きるべきか思い悩んでいる。十分な年金と貯えがあっても、仕事が無いということがこんなに辛いものとは思ってもみなかった。考えてみると仕事は本当に楽しかった。苦しんだり悩んだりしたことさえ今では懐かしく思い出される。何とかもう一度仕事に戻れないものかと考えている。しかし幸福な定年退職者の面倒を見てくれるところがあろうはすがない。世間の同情も集まらない。しかし本人は再就職に意欲満々である。ハローワークに出掛けて相談してみたが、社会貢献のボランティアを勧められ、落ち込んでしまった。
山下さんは60歳の定年を迎えるにあたり継続雇用を希望するか、それとも長年の夢であった田舎でのんびり暮らすか迷っていた。妻に意見を求めると田舎へ移る気は全くない、それより今の会社でそのまま働いてほしいと言われた。結局、嘱託社員として働くことになった山下さん。ところが、すぐにやる気をなくしてしまった。やがて契約更新の時が来た・・・。
尾藤さんはもともと技術屋であった。しかし今は総務部でISOなどの環境関係の仕事に就いている。いずれやって来る定年を控えてどうしたものかと悩んでいる。今の仕事は何となく自分に合ってない感じがする。しかしだからといってどんな仕事が出来るのか自分にも分からない。そんなある日、会社を早期退職して店を開いた先輩から起業の勧めを受けた。尾藤さんはこれからのどう生きるべきか、悩みは尽きない。
青木さんは会社の仕事に追われる生活に明け暮れ、妻や子供らとの対話もままならない。定年まであと10年となった今、定年後の生活をどうすべきなのか、何を今から準備したらよいのか、経済面で生活がどうなるのか等々不安は残るが、そうしたことをじっくり考える暇もなく日常が過ぎて行く、そんな青木さんであった。