テーマ : 医療・介護
介護老人保険施設に勤めて2年目の介護士安西恵美は明るく優しい人柄で、誰からも好かれる人気者である。上司の島田フロアー長は、彼女は少しそそっかしい面はあるものの、常に入所者の立場に立って親身に世話をしている彼女をじっくり育てようと思っている。ある朝のミーティングの席で珍しく彼女が意見を述べた。入浴を入所者のために月に数回は夜に入れるようにできないだろうか、と言うのである。島田から話を聞いた施設長は難色を示したが、島田の熱意で何とか試験実施に漕ぎついた。入所者からの感想はほぼ講評だった。しかし島田は、恒常実施は難しいと感じている。超えなければならない壁が沢山あることに気付いたからである。