テーマ : その他
ハウスメーカーの営業部長城島は5年振りに意気揚々とシアトルから帰国した。自社の持ち味である熟練職人が作る家が人気で大きな市場を発掘したからである。しかし日本に戻り職人が激減していることの深刻さに直面する。国内はもちろんのこと、新たに市場を発掘してきた海外でも、パッケージ仕様の住宅ではなく、職人が各自のセンスで仕上げをすることがこの会社の「売り」であった。しかしかつて城島が付き合ってきた職人たちは続々と現場を離れているという。売りになる職人技は属人のセンスに任せてきたため、若手にはマニュアル教育しかしていない。国内でも海外でもその技を提供できる職人が減り、市場のニーズに応えきれないという問題。加えて高齢化して現場を離れている実態。顧客からは期待していたものではないとクレームも出始めた。