テーマ : メンタルヘルス
現在、子会社で気楽な日々を送っている佐々木監査役は、桜の咲く季節には昔の出来事を思い出して憂鬱な気分になる。あまり接触が無く、存在感を感じなかった若い部下の藤田がある日突然、一方的に暴言を吐いて立ち向かって来たのである。様子を見ると、明らかに精神に異常を来している。その場は何とか治まったものの、佐々木は善後策に悩んだ。人事担当の課長に通告すべきか迷っているうちに、転勤の発令を受け、準備に忙殺されていて忘れてしまった。その後、藤田が退職したという話を聞いた。何があったかは不明。当時の自分の対応を後悔しているが、いかにすべきだったか、妥当な方策はあったのか、この年になっても分からない。