テーマ : 労務管理
松飾りが取れたある日の午後、大森ポンプ(株)の工程管理課長補佐の菅村は、思いがけなく吉田製造部長から呼ばれた。部長の話は、「いま外出中の直属上司の浜口工程管理課長を、関連会社双葉製作所の製造部長に転出させようと考えている。ついてはそれとなく課長の意向を打診してもらいたい」ということだった。浜口課長は中途採用で57歳、58歳の役職定年までにはまだ1年あるが、定年は60歳である。2人の子供はまだ高校と中学だった。先方の双葉では65歳まで働けるという。夕方さらに、大原人事課長から「吉田部長は頑固一徹な浜口課長の後釜として、君の昇任を考えている」と言われた。こうした話を外出から帰った浜口課長に口ごもりながらすると、課長は興奮してしまった。