テーマ : メンバーシップ
インスタント・ラーメンの明和食品は、「消費者は神様だ」として発展してきた。しかし中小企業なので、幹部もマスコミとの付き合いには不慣れだった。内布製造課長は、当分役職を増やさぬという会社の方針によって、実質的には工場長だったが、まだ課長であった。そんな時、地域社会の勤労青少年の集まり「草の根会」の会長田中(社員)の発言が原因で、会社の姿勢が問われた「田中事件」が起こった。すぐに社長命令で、「部外に意見を述べる際には、事前に総務課の許可を取れ」ということになった。困ったのは内布課長だった。最近売り出し中の評論家草間氏から、若手社員のグループ活動を取材したいとの依頼を受け、対応をどうするかで総務課と意見が対立したのだ。