テーマ : 人材育成
神奈川製作所では、大幅な人員の合理化を進めてきていた。営業管理部でも、そのしわ寄せが一人当たりの負荷増という形でのしかかっていた。収益管理課の荒木主任も例外ではなかった。荒木は、会社の少数精鋭路線に勝ち残るために、自分だけの専門知識を身につけようと考え、そのための研修を受けようとしていた。しかし、問題が発生してしまい、今回もベテランである荒木が中心になって対応策を考えざるを得なくなった。そのため、申し込んだ研修を受けることができなかった。総務部の秋田と食堂で会ったとき、「営業は研修キャンセルの常習犯だから、案内を止めるか、参加枠を減らす、と研修課の担当者が言っていたよ」と言うのを聞き、荒木は「冗談じゃないよ、まったく…」とつぶやいた。