テーマ : コミュニケ―ション
業界2位の大和産業は、平成8年、創業40年になった。外山現社長は創業者の先代社長の娘婿で、在任20年になった。このところ業界1位のジラフ㈱に水をあけられており、社長は苦慮していた。そして2月、突然全社員に「社員諸君に告ぐ」という手紙を送った。懸賞金50万円、副賞世界一周旅行クーポン付きの豪華提案募集だった。さっそく集まった提案のなかに、資材課の庶務係員柳田京子の「社長はお辞めになっては」というものがあった。社長は清水資材課長やその上司の横井購買部長の意見を求めた。柳田には、実質最優秀賞が贈られたが、これを機会に部長たちへの風当たりが強くなった。3月中旬、柳田は清水課長に「私、辞めたほうがいいのではないでしょうか」と申し出た。